エレハモのスモールクローンコーラスです。
TONEPADの
製作記事で、基板もここから取り寄せました。
スモールクローンは実は所有したことも音を出したこともありません。
オリジナルのコントロールは
RATEと
DEPTHの2段階の切替スイッチのみ
という潔い仕様です。
TONEPADの製作記事は先月(2005年7月)にアップデートして
DEPTHをポットで連続可変にするMODがデフォルトになり、
基板のレイアウトが若干変更になっています。
また、新しいバージョンの基板は銅箔面が
ソルダーレジスト処理
されるようになりました。
今回は部品数も多く、基板のパターンも密集していて難易度が高そうです。
記事に載っているMOD内容は小さい基板を追加してステレオ出力に
するものと、ロータリースイッチで4段階にディレイタイムを切り替えるものと、
オリジナルと同じにDEPTHを切替スイッチにする回路図も載っています。
私が取り入れたのは
TONEPADの
ビルドレポートや
アーロンのフォーラムから
1 ポットによるディレイタイムの連続可変
2 WET音のLow Cutスイッチ です。
1は
CD4047のpin1から
150pFのコンデンサーから
39Kの抵抗に繋がるのですが、
この39kの抵抗を
100k Bカーブのポット+直列に4.7kの抵抗に置き換えます。
(ポットをミニマムにしても4.7kの抵抗がかかっている)
このやり方のほうがロータリースイッチでコンデンサーを切り替えるより
簡単で楽だと思うのですが、この方法がTONEPADに採用されないのは
何か問題があるのでしょうか?
ロータリースイッチのMODでは上記の150pFのコンデンサーの値を切り替えます。
ここをMODしない場合でもソケット式にして値の違うコンデンサーを試してみると
いいと思います。
値が小さいとより短いディレイタイムで、大きいとその逆です。
私は33p,100p.150p,220pを試し、100pにしました。
私の採用したMODでは、この値で最大ディレイタイムが決まるようです。
注: TONEPADの回路図ではここは150pFに、パーツリストでは100pFになってます。
2は
Q2に繋がっている
1uFのコンデンサーを小さくしてWET音の低音をカットします。
私は元の
1uFと
0.01uFを切り替えられるようにしましたが、このへんは好みで
いろいろ試してみて下さい。
その他にもICの
LM358の
pin1と
pin2に繋がっている
2.2uFのコンデンサーの値を
小さくするとモジュレーションのスピードがより速く、大きくするとその逆になります。
アーロンのフォーラムを見ると
1uF,または
4.7uFがいいようです。
ここもソケットか切替スイッチにするといいかもしれません。
最後に
トリムポットの調整をします。
半時計方向に回していくと音が歪んでいき、逆回しにしていくと
WET音が聞こえなくなるので、その中間のあたりに合わせます。
さて、音を聞いての感想ですが
これは予想外に使えます。「カート・コバーンのようにエグく云々」という
評判ばかり聞きますが、セッティングしだいですごく上品なかかり具合にも
なります。また、音痩せもほとんど気になりません。
ディレイタイムMODも非常に有効でこれによってかかり方の感じも
大分変わります。
また、Low Cutスイッチもかなり使えます。WET音のLowをカットすると、
スッキリというか爽やかな感じになり、誤解を恐れずに言うならば
TCのコーラスのニュアンスに近いです。
(あくまで個人的感想ですので、やってみて全然違うと思っても許して下さい)
問題点もあります。
1 DEPTHを3時以上にするとモジュレーションのスピードに同期した
「パッパッパッパッパッ」というノイズが聞こえます。クロックノイズって
いうんでしょうか。
2 ディレイタイムを長くしていくとそれに比例してヒスノイズが大きくなっていきます。
これらの件について、またリサーチしてみるつもりですが
どなたか解決方法をご存知の方は是非、教えてください。
多少問題はありつつも、今回はかなり満足度の高いデキでした。
また、ソルダーレジスト処理した基板は、少量の半田できれいな山状になり
イモ半田になりづらかったです。
2005/8/8
Effect Level(ウェット音のボリューム・コントロール)を追加してみました
TONEPADの回路図でいうと、ドライ音とウェット音がMIXされる手前
パッドDと20kの抵抗のところです。
ここに100k位のポットをはさむという単純なものです。
更にというか、ついでにエフェクトがONの時のわずかな音量の落込みを
修正するために、この20kの抵抗を15kにします。
今度はドライ音を持ち上げるためにパッドAの隣の22kを18kにしてみました。
これで聞いた感じでは、エフェクトONとOFFの音量差はほぼ無くなりました。
後で気付いたのですが、MIXされた直後の10kの抵抗値を変えれば簡単でしたネ。
まー、結果オーライということで。
どちらにしても、この部分の抵抗値を変えて音量を修正するのが
理にかなっているのか、正しいのかはわかりません。
後段のオペアンプのゲインを上げることも考えたのですが、
そうするとそこのコンデンサーの値も変えないと、
周波数特性も変わってしまうということなので、そこをイジルのはやめました。
それと、実際にはケースに新たに穴を開けるのがメンドーだったので
ディレイタイム・コントロールは取っ払ってオリジナルどうりに戻し
(コンデンサーは100pのままにしました)そのポットをそのまま流用しました。
2006/1/27加筆