なんとなくハンバッカー搭載のギターが欲しくなってネット上を徘徊していたら、
Bacchus BLS-700というレスポールの安物コピーギターを見つけました。
中国製で定価は\73.500ということですが、いろいろな店を見ていたら
アウトレット品ということで\29.800で売っているところがありました。
今までは試奏せずにギターを買うなんていうことは無かったのでネット通販で買うのには躊躇しましたが、
この値段なら見た目がギターの粗大ゴミだったとしても諦めがつくので思い切って購入してみました。
さて、実際に届いたギターを見てみると、別にキズや塗装ムラがあるわけでもなく
どこがアウトレットなのか却って不安になります。
パッと見には塗装はちゃんとしてますし、ネックは若干薄いもののフレットの仕上げも悪くありません。
重量は体重計で計ったのであまり正確ではありませんが、約3.8Kgとかなり軽いです。
アンプに繋いだり、PC上のAmplitubeで音を出してみましたが少しコシというか芯が無い感じで,
トレブルも弱めですが割と普通(?)の音が出ます。
まあ私が(多分皆さんも)頭の中でイメージしているレスポールの音にはほど遠いですが、この価格ならアリです。
ただ、リア・ピックアップの出力が高いのかすぐに歪んでしまって、私には少し使いづらいです。
参考までに直流抵抗値はフロントが約7.5K,リアが約11.5Kでした。
また、良く「鳴りが良い、悪い」という話を聞きますが、私には「鳴り」が何を指しているか分からないので
それについてのコメントはできません。
何日か弾いていると不満なところが出てきたと言いますか、パーツを換えたりして色々イジリたくなる虫がわいてきました。
まずはプラスティック丸出しのナットに気持ちが萎えるので牛骨に交換します。
ココだけは自分でやる自信が無いのでプロに任せます。
チョット話は逸れますが、
自宅から自転車で5分位のところに
夢弦堂
さんという工房がありまして、
西貝さん
というルシアーがオーダーメイドでアコギやウクレレを製作しています。
ホームページにはリペアの受付についての記述が無かったのですが、
ダメ元のつもりでメールで問い合せてみると、地元のよしみということで快く引き受けて下さいました。
工房に伺ってギターを預け自宅に戻って夢弦堂さんについて本格的にネット検索をしてみると、
多くのプロの方も注文しているかなり有名かつ超一流のルシアーで
いくら地元のよしみといっても、とてもこんな中国製の安物をお願いできるような方じゃないとわかり
久しぶりに恥ずかしさで顔が真っ赤になりました。(笑)
実際にお会いしてみるととても優しい方ですし、勿論作業は完璧です。
ところで、夢弦堂さんの工房でナットをはずした状態のギターを見せてもらったのですが、
なんとナットが1mm位の分厚い塗膜の上に乗っていたそうです。
上は交換後の写真でピンぼけですが、ナット部分の青いラインがわかるでしょうか。
交換前はナットの底面がこのラインの高さだったのですが、これはネック・バインディングと
ナットの底面の高さを揃えるために塗膜の厚さで調整していたものと思われます。
それと、塗膜をキレイに取除いて木部がむき出しになったナット・スロットをツメでギュッと押すと
簡単にツメあとが付くくらい柔らかい木材でした。恐るべし!
ただ、西貝さんが仰るには、音には影響が有ったとしてもロッドが入っているので
特にネックが反りやすいとか捻れやすいというような心配はまあ無いだろうということです。
ナットの次はペグです。
ペグは別に問題はありませんでしたが、マグナム・ロックじゃないと弦を張替える気がしないので
ゴトーのシャーラー・タイプのものに交換しました。
元から付いていたものはツマミはクルーソン・タイプですが、ロトマチックみたいにヘッドの表から
ナットで固定するタイプなのでペグ・ホールは無加工で取り付けできます。
しかし、ヘッド裏の木ネジの下穴の位置決めがいい加減だったので少し曲がっちゃいました。
ついでに、何故かゴトーのブリッジが手元にあったのでこれも交換です。
さて、こうなったらピックアップも含め電装品も全て交換です。
POT、トグルスイッチ、キャパシター、ワイアーを替えることによってどれほど音が変わるのかはわかりませんが、
これらは精神衛生上の問題というかオマジナイみたいなものです。
特にワイアーは糸みたいに細いのでテンションがダダ下がりです。(笑)
交換前
交換後
ところで、キャビティー内(ピックアップ・キャビティーやスイッチ・キャビティー内も)には導電塗料らしきものが塗ってあります。
一応アースとは導通しているようですが、シールディングのためにしてはやけに雑な薄い塗り方で、
本当の目的は木目を見せないようにしているのではと勘ぐってしまいます。
POTとジャックはインチサイズなのでボディーやジャック・プレートの穴をリーマーで広げます。
この作業は慎重に行わないと穴の周りの塗装が剥がれてしまいます。というか、失敗しました。
右のスイッチは元からのもの
SWITCHCRAFTのトグルスイッチはネジが切ってある首が短いのでレスポール専用のトグル・ナットが必要です。
ショート・タイプのスイッチも有って、こちらは首が長いので付属のナットでいけます。
ピックアップに関してははまた
Jon Moore
さんに頼もうと思ったのですが、一ヶ月以上掛かるらしいので今回は見送りました。
そこで、
MLP
という海外のフォーラムで所謂ブティック・ワインダーの情報を色々探していたら
SKATTERBRANE
というところが目に付きまして、ここはアリゾナに住む
Rodney Kinkade
さんという方が
一人でコツコツとPAFクローンを巻いているそうです。
(
SKATTERBRANE
についての記事
を追加しました)
大体どこのワインダーも、PAFクローンといえば
hand wound, scatter wound, rough cast magnets, plain enamel 42awg wire
等
似たようなスペックの中、何故ココが目に付いたかといえばJEFF BECKの曲と同じで(スペルがチョット違いますが)
単純に響きがカッコイイと思ったからです。(笑)
それと待ち時間を問い合せてみたら「注文を受けた次の日には出荷できるよ!」とのことなのでココに決めました。
SKATTERBRANE standard set Alnico2 7.5K neck/8.3K bridge
(最近サイトがリニューアルされて名前が
Yinbranes
に変わりました。)
このピックアップについての感想は、PAFに似てるかどうかは本物を知らないのでわかりませんが、
普通に扱いやすいとは思います。
というわけで完成です。
ほとんどのパーツを交換したわけですが、このギターにそこまでする価値が有るかといえば「無い!」と断言できます。
それでは何故ココまでしたかというと、「そういうのが好きだから」としかいいようが無いんですが、
そもそもこのギター自体を他人に勧めることが出来ません。価格、作り等全てが中途半端だと感じるからです。
初心者の方が最初の一本に激安のギターを選ぶなら1万円台から買えますし、
激安のギターから買い替えるならもう少し予算を出して日本製のものを買った方が後悔することが少ないでしょう。
このBLS-700は販売店によっては3万円位から4万円台後半で売られていますが、
3万円台前半までで入手でき、かつ粗大ゴミだと割り切って楽しもうという方にはアリだとも思います。
ただし、私が購入したのはアウトレット品なので、レギュラーのモノとは違うのかも知れません。
ネガティブな事ばかり書きましたが、全く使えないかといえばそんなこともなく
このギターはこのギターなりの音がするので私にはそれなりに楽しめるのが楽器の不思議なところです。(笑)
ただ、人には勧められないというだけです。
09/8/24 up
デモ音源
ROOM 335
2012.8
1977年のFM東京バージョンに再チャレンジしてみました。
Scuffham Amps
S-Gear
の
The Wayfarer
フロントPU
Larry Carlton Mulberry_Street
TS系オーバードライブ--Amplitube3/Boogie MARK3 Clean
ミックス・ポジション
Yellowjackets Monmouth college fight song
TS系オーバードライブ--Amplitube3/Boogie MARK3 Clean
リアPU
Robben Ford Help The Poor
Zendrive clone--Amplitube Fender/Vibroverb
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